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雇用創出とは? 地方創生における重要性や具体的な取り組み事例を解説

地方創生において「雇用創出」は重要なテーマの一つです。新たな雇用機会を生み出すことで、地域経済の活性化や人口流出の防止、ひいては地方の自立を促進します。この記事では、雇用創出の概要から具体的な取り組み事例まで、幅広く解説します。雇用創出が地域に与える影響や、各地で展開される効果的な施策について詳しく見ていきましょう。

雇用創出とは?

雇用創出とは「新たな雇用機会を生み出すこと」を指し、地域経済の活性化や人口流出の防止、さらには地方創生において極めて重要な役割を果たします。

現在、厳しい雇用失業情勢の中で、雇用機会の創出は喫緊の課題となっています。そのため、雇用創出の可能性がある分野において制度改革を進め、人材ニーズの把握や適切な人材育成を行い、労働移動の円滑化を図ることが求められているのです。

特に地方では、新産業の創造や地域の事業機会を見つけ出し、それを具体的な雇用機会に結びつける施策の展開が重要です。地域社会では、従来の「雇用」の枠組みにとらわれない就労機会が増えており、たとえ労働時間が短く収入が少ない「細切れ雇用」であっても、それらを組み合わせることで新たな「雇用機会」となることが期待できます。

地方の自立を促す雇用創出の重要性

地方自治体にとって、雇用創出は地域の自立を実現するために重要です。新たな雇用機会が生まれることで、地域内での消費活動が促進され、地域経済が活性化し、さらには人口流出の防止につながります。ここでは、雇用創出がもたらす3つの重要な効果についてご紹介します。

地域活力の再生と自立につながる

新たな雇用機会の創出は、地域内での消費活動を活発にし、経済活動全般の拡大につながります。

例えば、新規ビジネスの立ち上げによって地元の需要が刺激され、商業やサービス業の発展が期待できます。これにより、地域内での経済循環が良くなり、さらなる消費活動の拡大につながるのです。

また、地域独自の資源や特産品を活かした事業展開が行われることで、地元の魅力が再発見され、さらなる観光客の誘致にもつながるでしょう。

人口減少や高齢化が進行する地域の課題解決に寄与する

地域の雇用機会が増えることで、若い世代の流出を防ぎ、さらには外部からの移住者を呼び込む契機となります。例えば、地方での新規事業の立ち上げや既存事業の拡大など、新たな仕事の場が整うことで、地元に残りたいと考える若者たちが増えるでしょう。

最近ではリモートワークの普及に伴い、都市部から地方への移住を希望する人々も増えています。単身者だけでなく、子育て中の世帯が移住するケースも多く、新しい住民が地域に新たな活力をもたらす効果が期待できます。

地域の労働市場が活性化することで、経済全体の活力が向上し、介護・医療・社会保障などさまざまな問題の解決につながります。

若者の地方定着を促進し、地域経済の悪循環を回避する

人口流出が続くと地域経済が縮小し、さらに人口が減少するという悪循環に陥りがちです。しかし、新たな雇用機会を生み出すことで、このサイクルを断ち切れます。雇用創出は、地域経済の悪循環を断ち切る力を持っているのです。

若い働き手に定着してもらうためには、都市部との賃金水準を合わせたり、地元企業の知名度をあげたりすることが効果的です。また、「地元に帰りたくても帰れない」という状態にならないよう、Uターン就職の受け皿を確保しておきましょう。

若い世代が地域に定着することで、新たなアイデアや活力が生まれ、地域の持続的な発展にもつながります。

雇用創出基金事業について

「雇用創出基金事業」とは、厳しい雇用情勢に対応するために各都道府県に基金を造成し、地域の実情に応じた雇用機会を創出する取り組みです。リーマン・ショック後の急激な雇用情勢の悪化や、東日本大震災の影響による失業者の雇用確保を目的としています。

この事業は、国からの交付金を基に各都道府県が基金を造成し、地域の実情に応じた雇用創出事業を実施するものです。例えば、以下のような事業が含まれます。

ふるさと雇用再生特別基金事業:地域の実情に基づき、介護・医療・農林業・観光などの分野で雇用機会を創出する
緊急雇用創出事業:経済危機や災害時に失業者の雇用機会を緊急に確保するための事業
重点分野雇用創造事業:成長が期待される分野での雇用機会を創出し、地域の経済を活性化させることを目的とする

これらの事業は、地域の雇用情勢に応じて柔軟に運用され、失業者の生活安定と再就職を支援することを目指しています。

参考:雇用創出の基金による事業 |厚生労働省

浜松市における雇用創出の取り組み事例

浜松市では、地域の特性を活かしながら新たな雇用機会を創出するための取り組みが行われています。以下に、具体的な取り組みを3つご紹介します。

緊急雇用創出事業

浜松市では、山林に放置されている間伐材の搬出作業を通じて、新たな雇用機会を創出しました。杉やヒノキの山林で放置されがちな間伐材を有効活用しつつ、地域の林業を支えるための取り組みが行われたのです。緊急雇用創出事業として市内の森林組合に間伐材の搬出を委託し、伐採作業のない期間において18人を雇用しました。

搬出作業は、木材を林道まで運ぶ作業が中心で、熟練の林業技術者の指導のもとで行われます。放置された間伐材は環境にも悪影響を及ぼすため、その搬出は美しい森林を将来に残すためにも重要です。また、搬出された間伐材はチップや燃料用のペレットに加工されるため、資源の有効活用が図られています。

若年者就職フェア

「若年者就職フェア」は、静岡労働局やハローワーク、静岡県などが共同で実施している取り組みです。直近では2025年1月24日に開催され、正社員就職を目指す若者や3月に学校を卒業予定の高校生や大学生が参加しました。地元企業50社が参加し、合同企業説明会や就職面接会が実施されています。

フェアの会場には、ハローワークやジョブステーション、臨床心理士などの相談ブースや業界紹介ブースも設置され、参加者はさまざまなキャリア情報を得られます。地元企業とのマッチングが促進され、若者が自分に合った職場を見つける支援が行われているのです。地域の若者が地元で働くことにより、地域経済が活性化し、持続可能な発展が期待されます。

地域若者サポートステーションはままつ

浜松市では、地域の若者が自立し就労に結びつけるためのさまざまな支援を実施する「地域若者サポートステーションはままつ(サポステはままつ)」が運営されています。ここでは、「働く意欲はあるが何から始めればよいのか分からない」という若者たちに対し、手厚いサポートを行っているのが特徴です。

サポステでは、15歳から49歳までの無職の若者やその保護者を対象に、キャリアコンサルタントや臨床心理士による個別相談を実施しています。加えて、職場見学や職場体験、コミュニケーション練習なども行っており、就労に向けたスキルや経験を積む機会を提供しています。職業選択に悩む若者に対する相談や、仕事の探し方、人間関係の構築方法など、個々のニーズに応じた相談が可能です。

参考:サポステはままつ

雇用創出に関するまとめ

雇用創出は、地域経済の活性化や人口流出の防止、地方創生において重要な役割を果たします。新たな雇用機会が生まれることで、地域の消費活動が活発化し、地域の自立と持続可能な発展にもつながります。

特に地方自治体では、若い世代の流出を防ぎ、外部からの移住者を呼び込める雇用創出策が重要です。雇用創出基金事業や浜松市の具体例のように、地域の特性を活かした取り組みが求められます。今後も地域ごとの実情に応じた施策が展開され、地方創生を推進していくことが期待されます。