ノーコード導入でハマった3つの罠｜実際にやってみた活用例

社内のちょっとした業務改善のために、ノーコードツールを試してみたんですが、想像以上に“落とし穴”がありました。普段は「こういうの、ツールさえあれば簡単にできるんじゃ…？」と楽観的に思いがちですが、いざ触ってみると、意外なところでつまずくことも多いんです。

この記事では、実際に私たちが試してみたノーコード活用の“つまずきポイント”を、具体的なツール名とともに紹介していきます。

目次

そもそもノーコードとは？

ノーコードとは、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ＆ドロップなどの直感的な操作でアプリケーションを開発できるツールや手法のことを指します。これにより、IT部門のリソースが限られている中小企業でも、業務効率化やサービス開発が可能となります。

代表的なノーコードツールには以下のようなものがあります：


これらのツールは、プログラミングの知識がなくても、業務に必要なアプリケーションを迅速に開発できる点が魅力です。

実際にあったノーコードの罠

罠その1：最初は簡単 → 段々複雑化して開発が止まる

私たちのチームでは、AppSheetを使って、日報の自動集計とグラフ化を試みました。最初はGoogleスプレッドシートと連携し、入力フォームを作成するだけで、簡単に日報を集計できるアプリが完成しました。

しかし、次第に「このデータも取り込みたい」「この条件でフィルタリングしたい」といった要望が増え、アプリが複雑化していきました。最終的には、AppSheetの機能だけでは対応しきれず、Google Apps Scriptを使ってカスタマイズする必要が出てきました。

なぜ起きるか

  • ノーコードツールは「一般的な業務フロー」に対応していますが、複雑な業務ロジックや特殊な要件には限界があります。
  • 初期の簡単な機能だけで満足してしまい、後から追加機能を考慮しないことが多いため、後々手戻りが発生します。

対策

  • 導入前に、将来的な要件や拡張性を考慮し、ツールの選定を行う。
  • 複雑な業務ロジックが必要な場合は、ノーコードツールだけでなく、プログラミングとのハイブリッド運用を検討する。

罠その2：コスト感覚のミスマッチ ～月額・運用・拡張で意外と高くなる

別のプロジェクトで、kintoneを導入して、顧客管理システムを構築しました。最初は月額1,800円のスタンダードプランで運用を開始しましたが、ユーザー数が増えるにつれて、追加ユーザーのライセンス費用や、外部サービスとの連携にかかる費用が増加しました。

さらに、業務の複雑化に伴い、プラグインやカスタマイズの費用も発生し、最終的には当初の予算を大きく上回るコストとなってしまいました。

なぜ起きるか

  • ノーコードツールは初期費用が低く抑えられることが多いですが、ユーザー数の増加や機能追加に伴い、ランニングコストが増加することがあります。
  • 無料プランや低価格プランでは、機能制限やサポートの制限があるため、業務に必要な機能を追加すると、追加費用が発生することがあります。

対策

  • 導入前に、将来的なユーザー数や機能追加の可能性を考慮し、コストの見積もりを行う。
  • 無料プランや低価格プランの制限を理解し、必要な機能が提供されているか確認する。

罠その3：ツールに“縛られる”と後戻りが大変

さらに別のプロジェクトで、Glideを使って、社内向けの在庫管理アプリを作成しました。最初は簡単にアプリが完成し、現場でも好評でした。

しかし、在庫管理の要件が複雑化するにつれて、Glideの機能だけでは対応しきれなくなり、他のツールやプログラミングを併用する必要が出てきました。最終的には、Glideから他のツールへの移行を検討することとなり、データの移行やユーザーの再教育など、多くの手間とコストがかかりました。

なぜ起きるか

  • ノーコードツールは特定の業務フローや要件に特化していることが多く、業務の変化や要件の追加に柔軟に対応できないことがあります。
  • 導入時に「このツールで全て解決できる」と思い込んでしまい、後からの変更や移行が難しくなることがあります。

対策

  • 導入前に、業務の変化や要件の追加に対する柔軟性を考慮し、ツールの選定を行う。
  • ツールの選定時に、将来的な移行や変更の可能性を考慮し、データの移行やユーザー教育の計画を立てる。

ノーコード、うまく使えば本当に強い。でも…

ノーコードツールは、適切に活用すれば、業務の効率化やサービスの迅速な開発に大いに役立ちます。しかし、導入前に慎重に検討し、導入後も定期的に運用状況を見直すことが重要です。

「ノーコードだから簡単にできる」と思い込まず、ツールの特性や制限を理解し、業務の要件に最適なツールを選定することが、成功への鍵となります。

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