
皆さんはクレーム対応にどれほどの時間と気を使っているでしょうか?特に、感情的なクレームや内容が不明瞭なものに対しては、どう返信すれば良いのか悩んでしまいますよね。そんな時に頼りになるのが、AIツールです。
今回は、実際に私がChatGPTを使ってクレームメールの返信テンプレを作成した体験をもとに、その活用方法と効果をお伝えします。
クレーム対応で悩んでいた日々
ある日、妻のハンドメイド作品のネットショップで、こんなクレームが届きました。
「注文したピアスと違う色のものが届きました。すぐに交換してほしいです。とても困っています。」
初めてのクレームにショックを受けながら、妻が「どう返せばいいんだ…」と焦って相談してきました。作品制作はもちろん、在庫管理もすべて妻ひとりで行っています。小さなお店だからこそ、間違いが起こるとすぐに対応が必要です。ここで、AIの出番です。
ChatGPTで返信テンプレを作成
まずChatGPTにこんな指示を出しました。
「お客様から『注文したピアスと違う色のものが届きました。すぐに交換してほしいです。とても困っています。』というクレームが届きました。心からの謝罪、迅速な交換対応、再発防止策、お客様の不便への共感を含む300字程度の誠実なメール文を作成してください。」
すると、こんな返信例が返ってきました。
「この度は、ご注文と異なる商品をお届けしてしまい、誠に申し訳ございません。お客様に多大なご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
早急に正しい商品と交換させていただきます。本日中に正しい商品を発送し、明日にはお手元に届くよう手配いたします。また、誤送品については後日回収に伺いますので、お手数ですがそのまま保管いただければ幸いです。
今回のようなミスを二度と起こさないよう、発送前の確認体制を強化してまいります。」
文章としては完璧ですが、少し硬く感じます。ここからアレンジです。
返信テンプレ作成のコツ

コツ1:基本構造を決めておく
AIに作らせる前に、返信に入れたい要素を整理しておくと便利です。例えば:
- 謝罪(心からの一言)
- 問題解決策(交換・返金など)
- 今後の対策(再発防止)
- お客様への共感
この4つを押さえるだけで、文章に一貫性が出ます。
コツ2:AIに「文体」を指定する
例えば「親しみやすく」「丁寧だけど堅苦しくない」と指示すると、より自然な文章になります。
コツ3:文字数や形式も指定する
長すぎる文章は読みづらく、短すぎると誠意が伝わりません。メール本文として自然な長さ(300〜500字程度)を目安にすると良いです。
アレンジすべきポイントの具体例
AIの文章は完璧でも、人間味を出すために以下を意識してアレンジします。
会社名や自分の名前を入れる
AIの文面では「担当者」とだけ書かれていることが多いので、自分の名前を入れると親近感アップ。
感情のこもった表現に変える
「誠に申し訳ございません」を「本当にご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません」とするだけで柔らかさが増します。
余計な情報の削除
AIは細かく書きすぎることがあるので、お客様に必要な情報だけを残す。
状況に合わせた一言を追加
「商品の色違いについては、そのまま保管いただければ助かります」と具体的に指示すると親切です。
アレンジした文章を送信すると、数時間後には嬉しい返信が届きました。
「迅速な対応ありがとうございます。無事にピアスが届きました。今後も購入させていただきます。」
お客様から直接感謝の言葉をもらえると、「ああ、手伝ってよかった」としみじみ思います。
AI活用のメリットと注意点
メリット
- 対応スピードが上がる:テンプレ作成にかかる時間を大幅短縮。
- 文章の一貫性:全員が似たレベルの丁寧さで返信できる。
- 精神的負担軽減:感情的なメールにも冷静に対応可能。
注意点
- 完全に任せない:複雑なケースや特別対応は、人間の判断が不可欠。
- アレンジ必須:機械的すぎる文章は、お客様に冷たく感じられることがあります。
ハンドメイドショップでもクレーム対応は手作りしない
クレーム対応は面倒に感じるけれど、実は信頼を築くチャンスです。AIでテンプレを作り、少し手を加えるだけで、迅速かつ丁寧な対応が可能になります。
妻のハンドメイド作品のショップを手伝ってみて、AIがあるとちょっとした業務の負担が減るな、と実感しました。
小さなショップでも、こうして一つずつ信頼を積み重ねていく――しみじみ、いい経験だなと思います。