【2025年版】Zoomで顧客管理を可視化してみた | 最新トレンドと導入例

ミーティングの選択肢として、すっかり定着したZoom。さらに「ただ電話やミーティングをこなすだけ」で終わらせず、Zoomでやりとりしたデータを見える化して顧客との関わりを深めたい、という声をよく聞くようになりました。

特に小企業だと、営業・サポートの混在、情報共有の抜け・漏れ、どの案件が滞っているのか分からない…といった悩みを抱えがちです。でも、Zoomにはビデオ・音声だけでなく、その前後のデータ、参加状況、発言ログ、チャット内容などが残ること、それをCRMや他のツールと組み合わせることができるようになってきているんです。

2025年現在、その可視化表現やツール統合の「トレンド」と「小企業でのリアルな導入例」を、ローコード/ノーコードの手法を中心に解説します。きっと「自分の会社でもできそうだ」と感じてもらえるはず。

2025年版:Zoomで顧客管理を可視化する最新トレンド3選

ZoomとCRMの統合が進み、オムニチャネル化が加速

Zoomはもはや“オンライン会議だけのツール”ではなくなっています。Zoom Contact Center や ServiceNow との連携が進んだことで、電話・チャット・メール・ビデオ会議といった複数チャネルを一元的に管理できるようになりました。
たとえば「ある顧客がチャットで問い合わせ→翌日にZoomで打ち合わせ→後日メールで契約書送付」といった一連の流れが、CRM上でひとつのタイムラインに整理されるイメージです。小さな会社でも「誰がどの段階で対応しているか」を迷わず把握できるのは大きな強みになります。

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AIとローコードで“誰でも使える可視化”が主流に

2025年はAIとローコードの組み合わせがぐっと身近になりました。Zoomの会話記録やチャットログをAIで要約して、「次に必要なアクション」や「顧客の関心テーマ」を抽出してくれるサービスが広がっています。
さらに、Google SheetsやAirtableといったローコード/ノーコードのツールを使えば、専門知識がなくてもデータを自動で集計・グラフ化してダッシュボードにできる時代です。
「発言数が少ない顧客を早めにフォローする」「研修後の質問件数をグラフで把握して改善する」といった工夫も、現場スタッフが自分の手で実現できるようになりました。

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データ活用にはセキュリティとプライバシー配慮が必須

便利になる一方で、扱うデータは“顧客とのリアルな会話”そのものです。録画や文字起こし、チャットの記録などをどう保存するかは、プライバシーや法規制に直結します。
Zoomでは記録データの保持期間設定やアクセス制御が強化されており、小企業でも「どの情報を残すか」「誰に見せるか」を戦略的に決める必要があります。安心してデータを活かすには、この基盤づくりが欠かせません。

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小企業向け:ローコードで可視化を始める「ステップと導入例」

ここからは、「自社でもできる」具体的な流れと、実際の導入例を想定してお伝えします。

ステップ 1:現状把握とゴール設定

まずは何を可視化したいかを決めます。例:

  • Zoomミーティングの参加率・遅刻率
  • 誰が発言しているか/発言量
  • チャットでの質問数・リアクション数
  • フォローアップがどれくらい遅れているか
  • 顧客満足度アンケートとの関連

例えば、小さなB2B営業チームなら、「次回ミーティングまでのフォローアップが2日以上空いている案件を見える化したい」がゴールになるかもしれません。

ステップ 2:データ取得の準備

Zoom には「ミーティングレポート」「チャットログ」「参加者レポート」などの機能があります(プランによる)。これをCSV形式でエクスポートできるものを使えるように準備。録画/文字起こしをオンにできるならオンにします。

もし録音/録画で文字起こしの精度が低いなら、後述のツールで補うことができます。

ステップ 3:ローコード/ノーコードツールで分析・可視化

データが取れたら、下記ツールを使って見やすく整理します。

ツール利点注意点
Google Sheets / Excel手軽、既に使っている人多数。関数・グラフで可視化可能データ量が増えると重くなる。自動化の仕組みが必要
Airtable / SeaTableリレーショナルなテーブルが組みやすく、見た目も整う。フォーム入力なども可能高度な集計や大きなデータベース向けには追加コストあるかも
Glide や AppSheetスプレッドシートをベースに簡単アプリ化でき、可視化用ダッシュボードに使えるモバイル画面など UI の見せ方工夫が必要。無料プランの制限も確認すること
Zapier / Make.com(旧Integromat)などの自動化ツールZoomのログを定期的に取得し、所定のツールに流すワークフローを作れるAPI制限や費用がかかるパターンあり

ステップ 4:ダッシュボード設計のコツ

見せ方を工夫すると、チーム内での共有・アクションにつながりやすいです。以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  • KPIを明確に:たとえば「ミーティング翌日までにフォローアップした案件数(割合)」「チャット質問に対する応答時間」など
  • 可視化の種類を使い分け:棒グラフ、線グラフ、パイチャート、タイムラインビューなど
  • リアルタイム性 or 定期更新性:毎週更新するのか、ミーティングのたびに更新するのか
  • 閲覧性・共有性:社内で誰でも見られるダッシュボードをクラウドで持つ、モバイルでも見られるもの

Zoomは記録ツールから“次の一歩をくれる存在”へ

Zoomで顧客接点を可視化するというのは、決して“データ科学者”や“大企業の専任部門”だけの話ではありません。小さな研修会社、地域密着型のサービス業、営業/サポートが兼務になっているチームでも、「見える化」によって“だれもが次に何をすべきかが分かる”という安心感が生まれます。

データのエラーや更新忘れ、見せ方の工夫などに苦労する場面も当然ありますが、それらを乗り越えたとき、「この月は反応良かったな」「この研修ではメール返事が少なめだったから改善しよう」という振り返りができるのは、日々の仕事に小さな喜びと手応えを与えてくれます。

データとは、“あなたとお客様との会話の痕跡”です。Zoomで交わしたひと言・質問・応答が、可視化されて次のアクションになる。そんなサイクルを、小さな会社だからこそ、大きな温かみをもって育てていきたいものですね。